サンドリヨンは微笑まない
手帳を開いた岸田さんがあたしの視線に気づいて、「どうしたの?」と不思議そうな顔をする。
「岸田さんて結婚してるんですよね?」
「してるよ」
「なんで指輪つけないのかなって、思って」
「あー…うん、貰ったんだけどサイズがね」
もしかして太った、とか…?
「いや反対、痩せて抜けるようになっちゃったの。それに旦那も指輪つけるような人じゃないから」
「何も言ってないですよ」
「顔に書いてありました」
クスクスと笑う岸田さん。
顔になんて書いてないよね…? とペタペタ確認。