サンドリヨンは微笑まない
そんな浅はかさを遼は見破っていたのか。
事務室を目前とした所で、担任の先生と会った。
あたしだけ呼び止められて、伊月さんは事務室へ行った。
「成績良くなったな。授業もちゃんと出席してるし、四月に全然学校来なかったから先生方も今年も留年かって言ってたんだぞ」
「そうなんですか? …すみません」
「違う違う、褒めてるんだ。良かったよ、学校来てくれて」
先生は嬉しそうに笑う。
それでも、きっとこの人はあたしがあのまま学校に来なくても何も思わなかった。
それは、絶対だという確信がある。