約束を。


うんうんうん。



 『えーえー、ホント最悪だった。卒業できてよかったわ―』

  ホントよかった!

 

 後輩からはなぜかとんでもない羨望の眼差しで『お姉さま―♪』 とか言われるし。 騒がれるし。

 
 まぁ、陰口も嫉妬も後輩たちからはなぜかなかったけれど。

  (いまでも思うけど、なんでだったんだろう…?)

 
  お姉さまからはよく陰口あるし。



  
 もういや! と何度思ったことか。


  
 あの娘はあんなに可愛いのに…!

  あの人たちは最悪!  

 
 何回そう思ったことか!



  …まぁ、そんなお嬢様たちばかりじゃないのはわかってるけど―。


  
  あ、あの娘っていうのは―…


    ㇳっ


 
   下を向いていたら突然壁が少し見えた。


   前を向くと顔が壁にぶつかりそうになった。


  『近っ』



  
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