拾われた私。


その男の人は心配そうに私に問いかける。


「ごっ…ごめんなさい。私、自分が誰なのか、ここがどこなのか、あなたが誰なのか全然わからないんです…」


「…記憶がないのか?」


目を見開き驚いているその人。



「……はい、ごめんなさい。全部教えてくれませんか?」


早く知りたい。

私は何でこうなったのかとか全部。



「美鈴が謝る事じゃないだろ?わかった」



そう優しくその人は微笑んだ。


本当に綺麗に微笑んだ。
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