わがまま姫♀



“両思い夫婦”の意味が分かっていない様子の遥。



「つまり、あたしの完璧な片思いってこと!」



無理やりの両思いくらいなら、全然知らないなんとも思ってない人の方がいい。



「えー?だからって断るの?!もったいないよ!」



とりあえず、最後まで聞いてよ!



「でも、あたしはそう思ってても、この婚約を断れないの!」



遥は「なんで!?」と嬉しそうに、机をバンッと叩いて身を乗り出した。



なんでそんなに嬉しそうなんだ。



「も、桃井財閥もそんなに余裕無いんだよね。だから、陽向かあたしのどっちかは、政略結婚しないと」

「ほぉ~♪」



遥は、どう見ても嬉しさを抑えきれてない。



「別に断る必要ないじゃーん!「お前のことを、必ず好きになってみせるゼ!」とか言われてんのにさぁ」



えぇ!?



「ちょっ、なんかセリフ微妙に(かなり)違うんだけど!!」

「えー?こう言ってたよ」



いやいやいや!



さすがに言わないよ!



ましてやあの流が。



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