わがまま姫♀



「はぁー…」



あたしは溜め息を1つ残して、陽向の部屋を出た。



陽向ったら、ホントになんとかなるの?



桃井財閥倒産とかなっても、あたし知らないよ?



なんて考えていると、背後からかけられる声。



「ひ、姫央さん!!どうしたんですか!?ビショビショじゃないですか!!」

「…牧原」



久々の登場の牧原は、ちょっぴり恐い。



「風邪引きますよ?!速くお風呂に入って下さい!!」

「分かってるわよ」



牧原はいつも、あたしを本気で心配してくれる。



なんだか申し訳なくなり、素直にお風呂場へ向かうことにした。



泡がプカプカと浮かぶ湯舟。



冷えた体があったまってゆく。



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