わがまま姫♀



「なに泣きそうな顔してんの?」

「べ、別に…!」



知らないうちに、目がうるんでたよ。



危ない危ない。



陽向はあたしの反応を見て、怪しげにニヤリと笑った。



「そ、それより!陽向は、あの子とどうなったのよ?!」



なにか見透かされてそうで、あたしは慌てて話題を変えた。



「あれ、言わなかったっけ?今付き合ってるよ」

「え!?」



つ、付き合ってる…?!



「ホント?」

「うん」



めでたし、めでたし!



…でもないよね。



「どうするの?陽向だって、最後は決められた人と一緒になるのにさ」

「俺、今幸せだし。なんとかしてみせるよ絶対」



すっご。



本当にすごい。



なんとかなるのかな。



そういう陽向が、自分なんかより大人に見えた。



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