わがまま姫♀



今まで俺は、何度泣かしただろうか。



明日から俺は、アイツの隣にいないのに。



泣いたって、俺が涙を拭いてやれもしないのに。



これからは、俺が知らないところで泣くのだろう。



俺の為にだけ、泣いてればいい。



俺にだけ、泣かされてればいい。



俺が泣かせたい時に、泣かせる。



だけどしばらく、それが叶わないのなら。



せめて叶ううちは、お前の涙を吹いてやりたいって、思うんだよ。



俺は立ち上がり、リビングへ向かい、勢いよくドアを開ける。



「あら流」

「お前もう準備は出来てんのか?」



今は準備どころじゃねーんだよ!



「姫央は?!」

「あれ、聞いてないのか?」

「姫央ちゃんならついさっき、「取りに帰りたい物があるから帰る」って言って、車で出たわよ?」

「は?!」



家に帰る…?!



俺、ひとっ言も聞いてねーぞ。




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