もう少しだけ、あなたのそばに
「どこにいるの?」
「あ、あの~、梨乃とちょっと。・・秋はどこですか?」
「家。帰ってきたら、真っ暗だった。」
「え~と、今日は遅くなるんじゃなかったの?」
「花憐・・・約束は?」
「うっ・・・・ごめんなさい。」
「出掛けるときは、前もって連絡するはずだよね。」
「はい。そうです。」
「昨日でも、今日でも俺、言われたっけ?」
「いえ、言ってません。」
「だよね。俺、聞いてないし。」
「はい。・・あの、急に決まって。」
「急に?」
「あの、今日も秋、遅くなるって言ってたから、梨乃が気を使ってくれて、遊びに行こうって。」
「そう、河合さんがね。何してたの?」
「え~と、映画見たり、ショッピングしたり・」
「今までそうしたの?それで俺の連絡、気が付かなかったの?」