もう少しだけ、あなたのそばに

「あ、秋??」


いつの間にか机から立ち上がり、私を抱きしめる秋。


「バカ。一人でもあのエレベーターを使え。・・・何もされなかったか?」


耳元で秋がささやくように言うから、くすぐったい。


「はい。何も。・・・でも・・」


でもという私の言葉に秋が反応するように私を抱きしめる力を強くする。


「でも、なんだ。」


「あの・・誰だ?って感じでジロジロ見られました。」


「チッ」


秋の舌打ちに私の肩がぴくッと反応してしまう。


「花憐、これからは、一人でも専用エレベーターを使うこと。いいね。」


首に回っていた腕を私の両肩において、私の目を見て怒る秋に私は頷くしかなかった。



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