HIVに捕らわれて
「あいつは、今、病気なんだ。


なのに、まだ、何も知らない。


その事を知らせに来た。


あちこち探して、最後に一縷の望みをかけて、ここへ来たんだ。


ここ以外に、もうサキの居場所に心当たりが無い。


私が買ってやったマンションも、もぬけの殻だ。


以前、あいつが居た、風俗店の寮にも行ってみた。


そこにも居ない。


もちろん、あんたのアパートも探した。


だけど居なかった。


あいつの母親が死んでしまって、私は用無しになったようだ。


お金だけの繋がりなんて哀れなものだよ」


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