HIVに捕らわれて
さっきまでコーヒーを飲んでいたのに、喉がカラカラに渇きました。


つばを飲み込む音がやたらして、僕の足は震えていました。


サキが最後に言った言葉が蘇って来ました。


「あなたの全てを奪うかもしれない」




僕がずっと感じていた細胞にこびりついてるものの事を思いました。


人生の先が見えた気がしました。


それは有限で僕は今からその、有限な人生を切り刻んで、一日一日生きて行かなくてはいけないのかもしれません。

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