HIVに捕らわれて
そしてまたいつもの、はつらつとした、うわべだけの言葉を使って話し始めました。


「いや、いい、実にすばらしい。


さすが先生だ。


こんなに短時間で、ここまで仕上げて来られましたか。


実にすばらしい。


まあ、今回のことは、勘弁願いたい。


こちらとしても、事情が少し変わりましてね。


あの子、知ってるでしょ。


よく知ってるはずだ。


サキね。


あの子にね、やらせようと思ったんですよ。


新しいケアハウスをね。

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