HIVに捕らわれて
「あなたは、私のことをまだ、何も知らないわ。


私はあなたの全てを奪うかもしれない。


今のあなたに、残っているもの全てを」


僕は不思議な感覚に包まれました。


二人の間にある目に見えない壁。


まだ、何かが隠されている。


でも、それは決して語られない。


サキは出て行きました。


僕は部屋にひとり残されて、今度こそ本当に独りになりました。

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