お熱いのがお好き?


(なんだか、セールスレディみたいじゃん…私 )



最後に麻紀が、

「私と彼は、これで極上の時間を過ごせたよ!ゴートゥ、ヘーブン♪」

と決めゼリフのように言うと、
カレンはハッと目覚めたように目を見開き、「きゃー!」と絶叫して、
椅子を引っくり返さんばかりの勢いで立ち上がった。


周りの人々の視線が、麻紀達に集まる。



「ちょっと、カレン…あんた声でかい…」



麻紀が宥めても、カレンの勢いは止まらなかった。



「極上の時間って……ヘーブンって…!
すげえ!
麻紀さん、ありがとう!
早速、部屋帰ってマー君と試してみます!

あ、麻紀さんはまだ飲んでていいすよ!

支払いは、うちの部屋付けにしといて!3015号室マジマでね!
ゆっくり飲んでて下さい!

バーボンもフルーツもいっぱい残ってるし!」



あげるなんて一言も言っていないのに、カレンは麻紀からホットローションのボトルを奪い取り、慌ただしく帰り支度を始めた。



「健闘を祈るわ…お休み」


わずかな時間だったけれど、カレンに振り回されて疲れてしまった。



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