トシノサレンアイ- 狼と仔猫 -

ハッ!として時計を見ると8時5分前。


「しまった~!」


身支度してないし、シャワー浴びてないし、こんな泣き腫らした顔じゃ学校なんてとてもじゃないけど行けない。

仕方がない……
あたしは初めて学校をズル休みすることにした。

ミズキに『体調が悪いから今日は休む』とメールを打ち、再度ベッドへと潜り込む。

アズマ、今日は帰ってくるのかな?

一晩会えなかっただけでこんなに寂しい思いするなんて、自分でも想像がつかなかった。

好き、なんだなぁ。

いつの間にか、自分が思う以上にあたしはアズマに惚れていた。

悪戯ばかりしてくるし意地悪だけど、本当は優しくて……でも、どこか孤独な雰囲気もあって。

まるで、狼のような。

ある意味でも……狼だったけど。
でも、そんなアズマも嫌じゃなくて。

年は離れてるけど、それでも一緒にいるとずっと笑いが絶えないし。

たまに子ども扱いされて悔しいけど、あたし、貴方の隣にちゃんと立ててる?

捨てられたあたしを拾ってくれた貴方。

貴方のお陰で世界が変わったよ。

一人ぼっちな部屋から抜け出せたよ。





大好きだよ。





会いたい……
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