トシノサレンアイ- 狼と仔猫 -
09.大好き
そして、そのままキスをする。
火が付いた二人。
もう、誰にも止められなかった。
あたしはアズマのシャツのボタンを上から3つはずし、首筋に“証”を付けた。
続いて胸元にも、もう一つ。
もっと……と、欲張って更にシャツのボタンを外そうとしたあたしの手をアズマが掴み、中指を甘噛みする。
「んっ……」
「こら。悪戯すんな。悪い仔猫だな」
つい出してしまった艶めかしい声に、彼は欲情してあたしに馬乗りになる。
しまった。形勢逆転されてしまった……!
また目立つところにキスマークを付けられてしまったら大変なので、抜け出そうと必死にジタバタするものの、その拍子にスカートが捲れて更に状況は悪化する。
「ピンクと白のチェックねぇ。似合うじゃねぇか」
「いーーやーー!恥ずかしいから見ないでっ!」
「くくく、そうだな。どうせすぐ脱がすしな」
「ぎゃっ!ちょっと待ってここ玄関です!」
「関係ねぇよ」
「うぅ、意地悪……あっ……」
なんだか、全部ウソみたいだった。
あたし、今まで愛を知らなかった。
それを、キミが教えてくれたんだ。
どれだけソレが温かいのかを教えてくれたんだ。
ありがとう。
ありがとう。
大好き。アズマ。