youth!!

3



次の日。
土曜日。
海のボランティアの日。

8時くらいに目が覚めた。
お、今日は余裕あるなー‥

ボランティアは10時からだから‥

あ!そうだ!
私はカバンの中から昨日拾った4つの貝殻をとりだす。

どうせなら綺麗にあらってみがいてから皆にあげようと思って、るりちゃんから預かっておいた。

いらない歯ブラシで優しくこする。
それから水でかるく流して、
タオルでふく。

よし、これで月曜日持っていける。


リビングに行くと、両親はもういない。

"日帰りで温泉行ってきまーす!ボランティアよろしくね!"

置き手紙をよむ。
まったくのんきな母親だ‥

1人で朝食を食べ、
それから私は
Tシャツとジーンズのショートパンツに着替え、
日焼け止めを塗り
大きめの麦わら帽子をかぶって
スニーカーをつっかけて家を飛び出した。

海岸にはもう結構人が集まっている。
この辺の人は、ほんとにこの海が大好きなんだなぁと思う。
子供から老人までいろんな人があつまる。

自主的に参加するボランティアなのに、たいしたものだといつも感心していた。

久しぶりに参加するボランティア。
1人フラフラしていると‥

「おー、なっちゃん!久しぶり!」
「こんにちはー。」
昔からお世話になってる文房具屋さん兼駄菓子屋さんの田辺さん。
夏限定でお店で売ってるかき氷が絶品。
私の母とは中学からの友達とかなんとか‥

「なっちゃん!めずらしいねー!」
「うん、ちょっとお母さんが用事でねー。」
こちらは八百屋の大丸さん。
いつも潮風で野菜がどうこう言ってる。
こちらも母のことを可愛いがってくれてた昔の先輩らしい。


とまぁ地元の方々に挨拶をしていると‥

「はーい!集合してください!」
リーダーらしき人が声をかける。

なんでも、少人数のグループに分けて、広い海岸を分担してやるそうだ。
リーダーが適当にグループをわけていく。


「じゃあ、そこのお姉さんは、こっち。」
「あ、はい。」
私だ。

「それからー、海くんもここの班」
リーダーが同い年くらいの男の子を引っ張ってくる。

私はなるべく日に焼けないようにうつむいていた。

「それからー、亮太と大樹もここな!」
それから小学生の子供2人もここのグループみたい。


すると、ボランティアの中の誰かが、
「よっ!若いの!頑張れよー!」
なんてひやかす。

「なっちゃんよろしくー!」なんて声も。
私はヘラヘラ頭をさげる。


「はい!じゃあ、このグループで、さっき言われた通り分担してお願いしまーす!」
「「はい!」」

皆元気だなー‥





< 13 / 135 >

この作品をシェア

pagetop