おかしな二人


ぜいぜいするのも構わずに言い訳していると、水上さんの怒気を含んだ声が、少し和らいだ。
その声音に、これ以上怒られなくて済んだと、ほっと息を吐く。

ところで。

「どうして、あたし。こんなに早く帰らなくちゃいけなかったんですか?」

素朴な疑問。
というか、もっともな質問でしょ?

何か仕事を頼みたかったんだったら、東京駅に送っていった時に話してくれればよかったわけだし。
それか、最初に電話してきた時に言ってくれたらよかったわけでしょ。
それとも、頼みたい仕事を急に思いついたのかな?

あたしが、そんな風に考えていると。


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