おかしな二人
『ん。うぅん……。夜に一人は、危ないやろぉ……』
「へ?」
『せやからっ。こんな時間まで女一人で出歩くなんて、危ないやないかっ』
水上さんが照れ隠しするように怒る。
「え? あ……、そう、だね……」
あたしは、少しあっけにとられてから、冷静に思う。
夜は、危ないって。
それって、あたしのことを心配してた、って事?
だとしたら、なんだかちょっぴり嬉しいな。
けど、その心配は、少々いきすぎではないでしょうか。とも思うのだ。
「あのぉ……」
『なんやっ』
水上さんは、すぐに元の怒り口調に戻る。
さっきの照れたようなゴニョゴニョしたしゃべり方はどこへやら。