おかしな二人


「あのさ。こっちは、凌の漫談に付き合ってる暇ないんだよね」
『そんなに忙しいのか? この俺よりも』

どういう意味よ。

そりゃあ、凌は売れっ子モデルかもしれないけれど、こっちだって借金返すのに走り回ってんのよ。

といっても実際は、水上さんに副業禁止されちゃって、以前よりものんびりしているんだけど。

「とにかく、お金だけ振り込んでくれれば、もうそれでいいから」
『それはないだろう。焼肉ドタキャンの埋め合わせ、してくれるんだろ? あの後、焼肉平らげられるような後輩探すの大変だったんだぞ』

うぅ、そう言われてしまうと……。

確かに、食べられもしないのに山のように頼んだのは、申し訳なかったよね。

「わかったよ。埋め合わせすればいいんでしょ」

あたしは、渋々ながらも了承する。
一度ご飯を食べれば、凌も納得してくれるだろ。


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