おかしな二人


「……イヴなのに、兄貴と食事するんか?」
「そう。不本意ながら、食事するの」

あたしは、諦めを混ぜた溜息を吐き出した。

「なんや、あれやなぁ……。兄妹は、やっぱり、兄妹って事なんやな……」
「へ? 言ってる意味がわからないんだけど……」

あたしは、食事の済んだ食器たちを目の前に首を傾げる。

「せやから。結局は、家族が一番て、事やろ?」
「一番も何も、その次がないもん」

「次があったら、それ断るんか?」
「うーん。まぁ、事と次第によっては」

「事と次第か」

水上さんは、箸をきちんとそろえてテーブルに置くと、また考えるような素振をする。

「ほんなら。明日、俺とメシ行くか?」
「え? メシ?」

水上さんと?

だって、明日はイヴだよ。
あたしなんかと一緒に居るよりも、大事な用事があるでしょーよ?


< 388 / 546 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop