おかしな二人
「もう、いいから。さっさと払ってくれる」
あたしは、掌をぱっと広げて突き出した。
「全く、可愛くないねぇ。それじゃあ、本当に取立て屋だろ」
「あのねぇ。成功報酬を受け取りに来ているだけなんだから、そんな風にいかがわしい言い方してもらいたくないんだけど」
しかも、可愛くないは、余計だよ。
そのくらい、自覚してるっちゅーの。
「いかがわしくはないだろう。取り立て屋だって、立派な仕事だ」
「本気でそう思ってる?」
「いや、言ってみただけだ」
口角をあげ、笑う凌。
どうやら、あたしに負けず、くだらないジョークが好きなよう。
笑いが収まると、ジャケットの内側に手を差し入れ、封筒を取り出しテーブルに置いた。
「少し多めに入れておいた。借金に当ててくれ」