おかしな二人
「英嗣。これ」
「ん?」
「本当は、クリスマスの時に渡すはずだったんだけど……」
色々あった事を思い出し、目を伏せた。
「なんや? 開けるで」
「うん。あ、でも、つまらないものだよ。ホント、つまらなすぎるから、要らなかったら、捨てて。うん」
なに言うとるん、と英嗣はブチブチ言いながら包みを解く。
中から顔を出したのは、紫パールの天然石でできた地球儀のキーホルダー。
「これね、天然石だから、同じ物がないの。世界で一つだけの地球儀」
「ほおぉ~」
英嗣は、感心したようにそれを眺める。
「しかも、運気が上昇するって」
あたしは、やっと手渡す事ができたプレゼントに満足げな笑顔を浮かべる。
「これ以上運気が上がったら、えらいことになるなぁ」
そう言ったあとの英嗣は、ニコニコと満足げなあたしの手を引き抱き寄せた。
「……えいじ……」
あたしは、戸惑いと嬉しさに声を出す。