恋愛


うつ向く私の髪を彼が優しく触る。




「お風呂上がり?」




そう聞かれるとなんだか妙に鼓動がして、そんな時代はとうに過ぎたはずなのに…




「すみません…」




どうこの場を過ごしていいか分からず謝りの言葉が出てしまった。




彼はジャケットを脱ぎ、それを私の肩にかけてくれた。




「そんな…申し訳ないです!」




ジャケットを返そうとすると




「迷惑?」




と逆に言われてしまった。今朝の子犬のような顔をして…




「そんな…ありがとうございます」



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