恋愛
軽く会釈をして、その場を去った。
レジで支払いを済ませ外に出ると雨がぱらつき始めていた。
今日は、ひたすらに走る日だな…
と思いながら足早に歩きだした時
「待って!」
と呼びとめる声が聞こえた。
振り向くと彼が傘を差し出して
「送ってくよ」
と言ってくれた。
「そんな…こんな格好だし…近くだから大丈夫です。」
本当に女子力は馬鹿にできない。
せめてジーンズだったら彼の好意も素直に受け取れたのかもしれない。
私も忘れかけていた女の子である部分を思いだしつつあった。