素敵彼氏の裏の顔【番外編】
だが、
「ちょっとやりすぎかな」
そう言って笑うその顔は、いつもの穏やかな隼人のままだった。
「隼人、髪……」
「すごいでしょ、このカツラ」
「その龍……」
「……うん」
隼人はいつものように笑っているが、何だか元気がない。
「若気の至りで入れちゃったんだけどね……」
過去を受け入れたとはいえ、心の傷は深そうで。
ようやくあたしは、触れてはいけないものに触れてしまったことに気付いた。
よく考えれば、あたしは隼人の裸を見たことがない。
着替える時も、隼人はあたしに背中を見せていて。
必死にこの龍を隠していたのかもしれない。