花火
 

「……子供、だな」



「えー?そんなもんか?」



「あぁ。所詮、ガキだって」



「へー。じゃあ、手を出そうとか思わないんだ?」



ドキン!と心臓が跳ねた。



「……ふ~、思わねぇな」



「えー、ぜってぇ俺だったら出す!」



「うわ、最悪!ていうか、ヒロト、年上キラーだしね~手出すなら、先輩教師とかっぽいよね!」



「……それは想像に任せるけど」



ふ~、と先生がタバコの煙を出すのが耳に入ってくる。


私は呆然と話を聞いていた。


先生、年上の人と付き合ってたんだ……。


で、でも、昔のこと、だもんね?


……高校生が子供っていうのは?


本音?それとも、表向きの?


先生は私が「子供扱いしないで」と言えば、「子供なんて思ってない」といつも言ってくれる。


私に言ってくれる言葉を信じていいんだよね?


……私たち、付き合ってるんだもん。


大丈夫……だよね?





信じたい、と思いながらも、心のどこかでは「先生の本音はここにあるんじゃないか」と思ってしまう私がいた。

 
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