花火
 

「そう……。じゃあ、“宿題”もまだか」



「──……」



にこっと先生が笑った。


それは作られたものではなく、きっと、先生の心からの笑顔。


私だけに向けられる笑顔に、ドキドキする……。



「……まだ、“答え”は出ない?」



“答え”という言葉に、ビクッと身体を震わせてしまう。



「…………はい」



「……そう。もっとヒントが必要?」



「え?」



「……もうひとつヒントあげようか?」



「えっ?ここでっ……むぐっ!」



先生の手が私の口を塞いだ。



「……コラ。声、デカイから。シー、な?」



子供をあやすような言われ方に、私は少しムッとしてしまう。


……子供扱いしないでよ。


私が心の中で思ったことに気付いたみたいで、くくく、と先生は可笑しそうに笑った。


……また、心の中を覗かれた。


先生の手が私からゆっくりと離れる。


ドキドキが凄かったから離れてくれて安心したのに、離れる瞬間、先生の指が私の唇を揉むようになぞった。


びくん!と全身に電気が走ったような感覚に襲われる。


その反応を愉しそうに見る先生。


……もう、ズルい。

 
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