花火
 

私は先生を見上げる。


あり得ないかもしれないけど……


“好き”って意味だったらいいのに。


なんて思っちゃう私は、それを期待してる。


はぁ、と先生が息をついた。



「……その目、反則。今度お仕置きね」



「!?」



お仕置き……?別に何もしてないのに、何で?


意味がわからなくて、パチパチと瞬きをしてしまう。


それを見て先生が、くっと笑う。



「ほんと、無意識なんだな」



「え?」



「──知らないだろうから教えとこうか。俺って気ぃ短いの」



「……え?」



「もう、あまり長くそのマイペースに付き合える自信ないから、大ヒントあげとく。──“中村のことが四六時中、頭から離れてくれない。どこでもいつでも、中村のことで頭がいっぱい。”……てことで、答え、早く出してね」



「──」



「あと。勉強、根詰めすぎんなよ。ちゃんと息抜きもしろよ」



「!」



先生は再び私の頭にぽんと手を乗せて、何事もなかったように私の元を離れる。


そして、そのまま図書室を出ていってしまった。


あれ?本はいいの?……って頭の中をよぎったけど、それ以上に先生の言葉が頭の中をぐるぐると回っていた。


だから私は、その姿を目で追うこともできなかった。

 
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