花火
 

そっか。やっと二人、うまくいったんだ……。


私のせいで想い合ってる二人が結ばれないなんて、罪悪感でいっぱいだったから、雅也と話した日からずっと気になって仕方がなかった。


でも、これで私も安心して、キッパリ諦めて、忘れることができる。


すぅっと息を吸い込んで、言葉を紡ぐ。


安心させる言葉を。



「……二人が思ってるほど、私落ち込んだりしてないから。気にしないで?」



「……凛ちゃん……」



「そのうち雅也よりいい男捕まえるし。ね」



根拠のない宣言をして、にっと笑う。


“いい男”の定義が何かはわからないけど……先生は当てはまるのかな?


……いや、先生は“悪い男”だよね。きっと。


……って、先生を捕まえることができる自信なんて、これっぽっちもないけど。



「……凛ちゃん、無理してない?」



「え?な、何で?」



「何か雰囲気変わった気がするから」



「!」



どこが?何が?


不安が私の中を駆け巡る。

 
< 72 / 178 >

この作品をシェア

pagetop