花火
 



──パタパタと廊下を歩く。


絶対、変に思われたよね……!?


あぁもう、どうしよう!、と頭を抱えそうになったけど、はたと気付く。


…………いや、待って。いちいち私のことなんて気にしないよね……。


はぁ。もう。


一人で慌てて、焦って、バカみたいだ。



「ねっ、ねぇ、凛ちゃんっ、どこ行くのっ?」



「え?──あっ、ごめんっ!」



実可子がいること、忘れてた!


早足で歩いていた足をピタッと止めると、実可子が私の腕に絡み付くようにして、足を止めた。


私に引っ張られるままについてきていた実可子は、すっかり息が上がってしまっていた。



「ううんっ、いいけど……凛ちゃん、どうかした?大丈夫?」



「!」



息を整えながら心配そうに私の顔を覗き込んでくる実可子に、動揺していることを悟られたくなくて、また、作り笑いを浮かべた。


そして私は笑顔で、簡単に嘘をつく。

 
< 79 / 178 >

この作品をシェア

pagetop