花火
──パタパタと廊下を歩く。
絶対、変に思われたよね……!?
あぁもう、どうしよう!、と頭を抱えそうになったけど、はたと気付く。
…………いや、待って。いちいち私のことなんて気にしないよね……。
はぁ。もう。
一人で慌てて、焦って、バカみたいだ。
「ねっ、ねぇ、凛ちゃんっ、どこ行くのっ?」
「え?──あっ、ごめんっ!」
実可子がいること、忘れてた!
早足で歩いていた足をピタッと止めると、実可子が私の腕に絡み付くようにして、足を止めた。
私に引っ張られるままについてきていた実可子は、すっかり息が上がってしまっていた。
「ううんっ、いいけど……凛ちゃん、どうかした?大丈夫?」
「!」
息を整えながら心配そうに私の顔を覗き込んでくる実可子に、動揺していることを悟られたくなくて、また、作り笑いを浮かべた。
そして私は笑顔で、簡単に嘘をつく。