花火
「ねぇねぇ、凛ちゃんって田辺先生に習ってる?」
「えっ?う、ううん」
実可子に話し掛けられて、先生に向けていた目線を慌てて実可子に戻す。
先生を見てたこと、バレてないかな……
「そうなんだ~。ね、先生!凛ちゃん、すっごい美人さんでしょ!?自慢の友達なんです!」
「!ちょ、実可子……っ」
突然何てこと言い出すの!
先生、ぽかんとしてるって!
こういうところもかわいいんだけど、TPOってものを考えてほしい!
大人っぽくなったのはあの一瞬の雰囲気だけで、中身はそのままだ……!
「……私、凛ちゃんに酷いことしたのに、許してくれて、すごく優しくて」
「!!!」
「……酷いこと?」
先生が首を傾げる。
こ、これ以上はマズイ……!
慌てた私は、我先にと言葉を言い放つ。
「や、そ、それはもう終わったことだから!もう忘れよ!?ね!ね!」
先生の目線が私をしっかりと捕らえていて、すごく気まずい。
ていうか、爆弾娘実可子!!!
そこまで暴露しなくていいのに!
これ以上、爆弾落とされる前にここから逃げるに限る!
「みっ、実可子、ちょっと付き合って!えと、先生、さようなら!」
「えっ!?凛ちゃん!?あっ、先生さようなら~!」
私は実可子の腕を掴んで、先生から逃げるように歩き出した。