花火
──なんて、いつまでもうだうだ考えてても前に進めるわけでもないし、自分を変えられるわけでもない。
……って、20分も考えた後に言うことじゃないけど。
私に出来ることをするしかないんだよね。
ふぅ、と息をつく。
結局いつもと同じ答えに辿り着いて、よし、と気合いを入れて、階段の方に向かって踵を返した時だった。
「……中村?」
「!」
突然名前を呼ばれて振り向くと、そこには。
──嘘、田辺先生……っ!
何で、ここに……!?
「……こんなところで、どうしたんだ?」
「っ、いや、あの……、あっ、外の風に当たってただけですよ?」
落ち着け、私。
そう思いながら、にっこりと笑顔を先生に向けるけど、先生の表情は堅く、私を見つめたままだ。
「……本当に?」
「っ!ほ、本当ですって。本当に、何でもないですから。あ、私、戻りますね?」
「…………さっきも変だった」
「!!」
先生から目線を離そうとした瞬間、思わぬ言葉が飛び出してきて、息を飲んでしまった。
やっぱりバレてたの!?
ていうか…………、もしかして、気にしてくれてた……?