花火
何で、キスなんて──?
……ふと浮かぶ可能性。
先生は……私を好き?
そう思っていい、ってこと……?
先生の目を見ても、そうとしか思えなくて。
吸い込まれそうなほど、私を強く捕らえる瞳。
……本当にそうなの……?
「っ、」
泣きそうになって、一瞬先生から目を離した時。
「……悪い」
と優しい声がした。
「……え……?」
何で謝られるのかわからなくて、ゆっくりと顔を上げて先生を見ると、そこには“教師”の顔をした先生がいた。
「せん……」
「気を付けて、帰りなさい」
「!」
柔らかく微笑んだ先生を呆然と見つめることしかできなくて。
「……さようなら」、と言って去っていく先生の後ろ姿に、私は何も言えなかった。