漏れ言〈詩集〉
音の海に溺れて

息が出来ない

首に空いた風穴から

空気が漏れて

もう、ずっと前から死にそうよ


貴方の声に犯されて

無理矢理拓かれ、奪われる

むせび泣く、私の口に指を入れて

心の内側を引きちぎっていったわ


もう、ずっと前から死にそうよ

貴方の声だけが聴こえる

この、空間で


息も出来ないまま

もう何年もここにいるの



title no.5 音の海
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