永遠の初恋を君に

日誌を先生に届けてから、

「ふぅ...。」
扉を開けながら溜息がでた。
早く帰ろう。

そう思ったら、ふと人影が見えた。

「あ、れ...??」

その人は自分の席でスースーと小さく寝息をたてて寝ていた。

こんな所で、しかも放課後に寝るのか~
それにしても誰だろう...??

うつ伏せで寝ているから顔が良く見えない。

そっと近寄ってみたその時、

「――ん。」

その人が起き上がった。

「わっ!?」

私はびっくりしてひっくり返ってしまった。

や、やばい...
私完璧変な人だと思われたかも...

慌てて隠れようとあたふたしていると、

その人は驚いた顔をして
「大丈夫?」
と、声をかけてきた。

「だ、大丈夫です...」
そう言いながら顔を上げてその人を見た。

「「あ…」」

気が付いたら2人とも同時に声をあげていた。

「君確か昼ぶつかった…?」
少し首をかしけながら男の子が尋ねる。

「あ、はい…」
私が頷くと、男の子は
「大丈夫?どこも痛くない?」
と、心配そうに私の顔を覗き込む。
「だ、大丈夫です‼︎」
私はドキッとして一歩後ろに後ずさる。
「なら、いいんだけど…」
と、まだ心配そうに私を見ている男の子。
優しい人なんだな。

それにしても本当に晃によく似てる。
でも性格は全く違うな…。
やっぱり晃じゃないんだ。
そう思うと胸がキュッと苦しくなった。

あ、もしかしてこの男の子が転入生なのかな…?
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