【完】ヴァンパイアとチョコレート
ライルが起きてきたのは夜の八時。

彼はほぼ一日眠りについていた為か、ぼんやりとした顔で寝室から出てきた。

「ライル君!もう傷はいいの?」

「あぁ……。大丈夫だ」

髪は四方に跳ね、眉間にしわを寄せたライルはあくびをする。

テーブルの上にあるチョコレートを口にして気が付いたように言った。

「……お前、飯はどうしたんだ?」

ライルとルネは基本的に夜にしか食事をしない。

しかし、普通の人間であるミーナは三食摂るはずだ。

「何も……」

「食べていないのか」

ライルは驚いたようにそう言って冷蔵庫を開ける。

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