【完】ヴァンパイアとチョコレート

血の匂いに誘われて

次の日の四時間目――。

家庭科の時間。

クラスメイトは家庭科室でそれぞれエプロンを縫う作業をしていた。

「ミーナ～？進んでる？」

ナナが声をかけてくる。その手にはすでに出来上がった可愛らしいエプロンがあった。

「まだ……。私こういうの苦手なんだよね……」

ミーナははぁ……とため息をついて自分のエプロンを見つめる。

裁縫が苦手なミーナはシンプルなデザインのエプロンを作ることにしたが未だに出来上がっていない。

「あ、こっちはまつり縫いの方が綺麗に出来るよ」

「あ、そうか……ありがと」