隣の席の鈴木君

そんな私に目線を向けた奏は、

プッと笑った。


「…すっげー、顔」


「うる・・さい」

もう、化粧なんてどうでもいい。

涙は止まりそうにないから。


鈴木君も、

奏から私に目線を落とした。


・・・プッ。

…鈴木君まで笑ってるし。


「ホント、凄い、顔」

「もぅ！…鈴木君・・まで」

私はなんだか恥ずかしくなってきて、

両手で顔を隠した。


泣かせたのはお前らだ。


そう叫んでやりたかったが、

あえて、その言葉は呑みこんだ。


「オレは、オレの想いは、

聡美を苦しめるだけなんだな」

そう言った奏は、俯いた。


「…ゴメンね、奏」