短編花の色は移りにけりな悪戯に
でもさすがに私は、
「えっ!」
と、言ったのは、
目の前に、ラブホが何件かあったからだ!

数年前、近所に住んでいたのに、恵比寿の真ん中にラブホがある事を知らなかったから。
ビックリした!
「ここに、行くの?」
「そうだよ」
「ていうか行きなれてるでしょ?普通、恵比寿にラブホがあるなんて知らないから!」
「そんなことないよ」
「ラブホなんか行ったことないよ」
「昔は、あるでしょ?」
「10年前とかはね」



一瞬、真剣に考えたけど!
この人の傍が心地よかったから、行くことにした。

「背、高いね!何センチ?」
「183」
「そんなにある?」
元彼も、183なのに気付かなかった!
きっと、私とこの人がここに来たのは、桜の花があまりにも美しすぎるからだと思う。

あまりにも、美しすぎる桜に脳みそを犯されてしまったから。

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