蜜事は研究室で
「~~~ッ、」



──ダメだ! もうダメ、この甘い雰囲気!!

わたしは真っ赤な顔のまま、ジタバタと先輩の下から這い出ようと試みる。

だけどそれに気付いた帝先輩が、わたしの両手を掴んであっさりとベッドに縫いつけた。



「何してんの、シーナ?」

「いや、あの……そろそろ離してくれないかなぁ、なんて……」

「ああ、無理」



え、とわたしが言葉を発する間もなく、深くくちびるが塞がれる。

息も絶え絶えなわたしの頬に指先をすべらせて、にやりと意地悪く、彼は口の端を上げた。



「……どうやら」

「ふ、え?」

「きみのことは、俺の永遠の研究テーマになりそうだ」

「……!?」



耳元で低くささやかれた悪魔の言葉に、くらりとめまいがする。


……ああ、でも、きみとなら。

それでも悪くないかも、しれないなんて。

そう考えてしまう自分は、やっぱりきみという惚れ薬に、毒されているのでしょうか?










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