流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜
第9話「小犬は旅立った」

┣希う

 もしもあの時、僕がクドリャフカを拾わなければ。

 もしもあの時、クドリャフカの方が子犬を生んでいたら。

 もしも、クドリャフカがこんなにも優秀な子でなければ……

 僕らはクドリャフカにこんな運命を押し付けたりしなかっただろう。

 そして、別の犬に押し付けたのだ。

 犠牲は避けられなかった。

 もしも、こんな時代でなければ、誰も犠牲にならずに済んだのだろうか?

 こんなこと、考えたって仕方がない。

 そう思っても、止まらない。

 僕は、彼女のためにもっとなにかしてやることが出来たのではないだろうか?


「ロケット発射準備完了! カウントダウン、10、9、8、7」


 ロケットの先端につけられたスプートニク2号。

 その中にいるクドリャフカから逃げるように、みんなロケットを遠くから見守っていた。

 クドリャフカが行ってしまう……
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