愛を囁いてもいいですか。




ーー「やっぱ帰る。」

『何言ってんのよ!着いたばっかでしょうが!』

「だぁってぇーっ」


見合い会場は、一流ホテル。

高校のクラス会くらいはできそうな部屋に、私と母、二人きり。

まだ、相手方は来ていなかった。


こんな高級感溢れるところでお見合いしなくてもいいんじゃないの?

まだ、料亭の方がベタで良かったのに。


気分は憂鬱だった。

ぁあー。
本当は今頃には、試合会場入りして自主練してるのに…。


「言っとくけど、時間になったらさっさと出て行くからね、私。」

『分かってるわよ、それくらい。』


何回も念を押す私がしつこいのか、母はあからさまにいやな顔をした。

ふんっ

そんな顔したって無駄なんだから。

優先順位はあくまでも試合なんだからね!


そう、母に威嚇しているとーー…


コンコンッ

『失礼します。』


ついに、お見合い相手のご登場の時がきた。




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