魔法のキス
2012.1.1
元旦
ーあけましておめでとうー
ーあけおめ〜ことよろー
ーあけおめー
他の人たちは楽しそうに、新年の挨拶をしている。
新しい年が明けてしまったが。
なんにもめでたくない。
今年の6月には、私は東京に行く。
雄馬とは結ばれない運命なら、これでいいのかもしれない……。
遠くに離れれば忘れられるかもしれない。
いや、忘れなくてはいけないのだ。
あれからいろいろ考えた。
私が雄馬と付き合いたいと思うのは、雄馬にとっては迷惑で、ほんとに困ることなのだろう。
雄馬には私じゃなく、もっと可愛くて雄馬に似合う人がいいのだから。
私は、自分の気持ちばかりを考えていたことに、気がついたのだ。