魔法のキス


がチャッ


雄馬が起きてきた。


「おはよう雄馬」


雄馬とこんな風に過ごせるなんて、なんだか新婚夫婦みたいで嬉しい。


「おはよう〜。いつの間に起きたんだ?」


「朝食作らなきゃと思ってさ、顔洗ってきて。タオル置いてあるから」


「うん。なんかお前アレみたいだな」


「アレってなによ?」


「ははおや」


「ちょっと!雄馬!」


「あははは。顔を洗って出直してきま〜す」


なによ。
奥さんみたいって言ってくれると思ったのに。



雄馬がリビングに戻り、ダイニングテーブルで朝食。


「いただきま〜す。おっ、このぞうすいお前が作ったのか?スゲーうまいな〜チーズ最高」


「リゾットと言ってよ。昨日のおむすびで作った簡単料理だよ。そんなの褒めないで〜雄馬のお母さんの料理凄すぎるから恥ずかしいわ」


「アイデアがすごい。天才だったのか、お前は」


「雄馬くん。なんか褒めすぎ。それともイヤミ?」


「俺はほんとのことしか言わないの!」


それは認めますけどね。


片想いしてたときは、雄馬から冷たい言葉ばかり言われたから、なんとなく褒められることに慣れないし、つい冗談かと思ってしまうわ。


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