魔法のキス
「うん。今日も仕事だわ。雄馬は何するの?」
「友達と会うよ」
「女の子?」
「違うよ、今日は男だけだから!マジで!」
「うん、信じる。あ、合鍵渡しておくね、用事終わったら部屋で待ってて」
「ありがと。助かるよ〜夜までヒマつぶすのはちょっとキツイから。終わったら電話しろ、駅に行くよ」
朝食が済んで仕事へ行く支度をして、雄馬と長めのキスをし、私が先に部屋を出ることにした。
「いってきます」
「頑張れよ」
こんな日が毎日続いたら本当に幸せなんだろうな。
いつか必ず雄馬と毎日同じ部屋で過ごせる日を願うだけじゃなく、どうすればそうなれるのか考えるなければいけないと思った。
運命のイタズラ。
雄馬がもっと早く私に気持ちを伝えてくれていたら、私は東京へは来ていないのに。
でも、この試練のような日々を乗り越えたらきっと……。
そう。
私たちはこれからなんだから。