魔法のキス


「うん。今日も仕事だわ。雄馬は何するの?」


「友達と会うよ」


「女の子?」


「違うよ、今日は男だけだから!マジで!」


「うん、信じる。あ、合鍵渡しておくね、用事終わったら部屋で待ってて」


「ありがと。助かるよ〜夜までヒマつぶすのはちょっとキツイから。終わったら電話しろ、駅に行くよ」


朝食が済んで仕事へ行く支度をして、雄馬と長めのキスをし、私が先に部屋を出ることにした。


「いってきます」


「頑張れよ」


こんな日が毎日続いたら本当に幸せなんだろうな。
いつか必ず雄馬と毎日同じ部屋で過ごせる日を願うだけじゃなく、どうすればそうなれるのか考えるなければいけないと思った。



運命のイタズラ。
雄馬がもっと早く私に気持ちを伝えてくれていたら、私は東京へは来ていないのに。


でも、この試練のような日々を乗り越えたらきっと……。


そう。
私たちはこれからなんだから。


< 243 / 344 >

この作品をシェア

pagetop