魔法のキス

翌朝7時の、目覚まし時計のアラームで起こされた。


暖房はついたままだった。
今日も仕事だから起きなくてはいけない。


そう思い起き上がり、やけに外がシーンとしている気がして、雄馬を起こさないように気をつけながら、カーテンを少し開けて外を見てみた。


雪!
しかもすごく積もっている!


えっ?仕事行けるのこれ。
それに雄馬は帰れるの?


「雄馬大変、雪がすごいの!」


ゆっくり寝ているどころではない。
慌てて雄馬を起こした。


「なんだ〜?ゆき?暖かいけど」


それは暖房付けっぱなしで眠ってしまったからよ。
2人とも裸のままだった……。


「雄馬、これじゃ新幹線も飛行機も止まってるかもよ」


私もこんな雪でショップまで歩くのは怖い。
とにかく母親に電話してみなくちゃ。


「あ、もしもしお母さん?東京すごい雪なの。どうしよう」


「あ、朋花。いま電話しようと思ってたのよ。TVで観たわ。危ないし、電車も止まってるから今日は休みにしなさい」


そうか、TV。
リビングに行かないと観れないわ。


「わかった。じゃあ、すぐに店員のみんなに電話入れるから」


「外に出ないようにしなさいよ」


わかってるわよ。
すぐに子供扱いするんだから。


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