魔法のキス
「坂口さんの恋の話が聞きたいわ。今は恋してるの?」
イメージとしては、坂口さんの好きになる人、坂口さんを好きになる人はとても真面目な感じがする。
「今は恋人はいませんが、以前はいましたよ。私は甘えるのが下手なんです。だから1人でも大丈夫って思われてしまうのかもしれません……」
なんだか、辛い恋の終わりだったような言い方だった。
聞いてはいけなかったのかもしれない。
「私ね、ダメ男が好きみたい。自分がカタブツだからかしら。ついついダメな男を好きになってるのよね」
その話もっと聞きたいわ。
「ダメな男ってどんな人なんですか?」
「そうね〜いろいろだけど、ちゃんと働かなかったり、私の身体が目当てだったり。最終的には私のお説教に耐えられなかったり、身体に飽きたり、私が尽くし過ぎてダメになったり、そんな感じかしら」
意外だった。
坂口さんはダメ男をちゃんと見極めて、近寄らない感じがするのに。
真面目な人が真面目な人を好きになるとは限らないのだ。
勉強になる。
それに身体が目当ての男って……。
やっぱりという感じもするが、それも拒否できないくらいのめり込むのだろうか。
「意外でしょ?」
思ってることを言い当てられてしまった。
「でもなんとなくわかります。人を好きになるって理屈じゃない気がしますから。私は1人しか好きになったことないんですけど」
「おかげでずいぶんといろんなこともも教えてもらったわ」
あはははと坂口さんが笑った。
いろいろなことって……。
それで坂口さんは大人っぽいのかもしれない。
「男って自分のことしか考えてないところあるでしょ?自分のことを知ることも大事よ」
ドキッ
自分のことを知る……。
深い言葉だと思った。