魔法のキス

「坂口さんの恋の話が聞きたいわ。今は恋してるの?」


イメージとしては、坂口さんの好きになる人、坂口さんを好きになる人はとても真面目な感じがする。


「今は恋人はいませんが、以前はいましたよ。私は甘えるのが下手なんです。だから1人でも大丈夫って思われてしまうのかもしれません……」


なんだか、辛い恋の終わりだったような言い方だった。
聞いてはいけなかったのかもしれない。


「私ね、ダメ男が好きみたい。自分がカタブツだからかしら。ついついダメな男を好きになってるのよね」


その話もっと聞きたいわ。


「ダメな男ってどんな人なんですか?」


「そうね〜いろいろだけど、ちゃんと働かなかったり、私の身体が目当てだったり。最終的には私のお説教に耐えられなかったり、身体に飽きたり、私が尽くし過ぎてダメになったり、そんな感じかしら」


意外だった。
坂口さんはダメ男をちゃんと見極めて、近寄らない感じがするのに。


真面目な人が真面目な人を好きになるとは限らないのだ。
勉強になる。


それに身体が目当ての男って……。
やっぱりという感じもするが、それも拒否できないくらいのめり込むのだろうか。


「意外でしょ?」


思ってることを言い当てられてしまった。


「でもなんとなくわかります。人を好きになるって理屈じゃない気がしますから。私は1人しか好きになったことないんですけど」


「おかげでずいぶんといろんなこともも教えてもらったわ」


あはははと坂口さんが笑った。


いろいろなことって……。
それで坂口さんは大人っぽいのかもしれない。


「男って自分のことしか考えてないところあるでしょ?自分のことを知ることも大事よ」


ドキッ
自分のことを知る……。
深い言葉だと思った。





< 281 / 344 >

この作品をシェア

pagetop