魔法のキス
「ほんとだ。スゲーな」
「ね?遠くに行かなくても良かったでしょ」
「うん。でもこれから東京にいる間、たくさんいろんなところに行こうな」
学校があるから休みの度にデートは出来ないけど、夜なら会えるかな。
「うん。お金かからないところにね」
「なんだか、やりくり上手な奥さんみたいになりそうだな」
キャッ
そうよ、セレブじゃないんだからね。
「うふふ。いい奥さんになるわよ」
あれ?水槽の前で堂々とキスしてるカップルがいるー。
さすが東京だわ。
ん?あれは……!
沢田さんと佐和ちゃん!
やっぱり付き合ってたんじゃない!
っていうかヤバイいろんな意味でヤバイ。
「おっ、キスしてるぞ。俺たちもするか?」
「雄馬はそんなこと出来ないでしょ。ジッと見てたら悪いから行こうよ早く」
「なんだよ、ゆっくり見ようぜ魚を」
「あ、クラゲよ!クラゲ!あれが見たいの」
早く立ち去らねば。
「朋花ちゃんじゃないの!」
佐和ちゃんにみつかった。
ずっとキスしてろよ。
「えっ?あれ、佐和ちゃんと沢田さん。こんにちは」
「何がこんにちはよ。あ、朋花ちゃんにバレちゃったかな。私たちのこと」
バレるというか、そっちから声かけといて。
「あはは。やっぱりそういうことだったんだねー」
「こいつがしつこいのよ」
こいつとは沢田さんのことね。
「お前から告ってきたんだろうが」
「変なこと言わないでよ」
あのー忙しいんですけど。
喧嘩なら勝手にしといてくれませんか。